○国立大学法人横浜国立大学動物実験等管理実施規則
(平成26年11月13日規則第77号) |
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(目的)
第1条 この規則は、国立大学法人横浜国立大学におけるライフサイエンス研究等の実施に関する規則(平成19年規則第105号。以下「規則」という。)第11条に基づき、国立大学法人横浜国立大学(以下「本学」という。)における動物実験等の実施並びに実験動物の飼養及び保管等の管理に関し、必要な事項を定めることにより、動物実験等の適正な実施に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この規則における用語の定義は、次の各号に定めるところによる。
(1) 動物実験等 実験動物を教育、研究、試験又は生物学的製剤の製造の用その他の科学上の利用に供することをいう。
(2) 実験動物 動物実験等の利用に供するため、動物施設等で飼養又は保管している哺乳類、鳥類又は爬虫類に属する動物(動物施設等に導入するために輸送中のものを含む。)をいう。
(3) 飼養保管施設 実験動物を恒常的に飼養若しくは保管又は動物実験等を行う施設・設備をいう。
(4) 動物実験室 実験動物に実験操作(48時間以内の一時的保管を含む。)を行う実験室をいう。
(5) 動物施設等 飼養保管施設及び動物実験室をいう。
(6) 動物実験計画 動物実験等の実施に関する計画をいう。
(7) 動物実験・飼養者 動物実験等の実施又は実験動物の飼養若しくは保管に従事する者をいう。
(8) 動物実験責任者 動物実験・飼養者のうち、動物実験等の実施に関する業務を統括する者をいう。
(9) 部局長 実験動物及び動物施設等の管理を担当する研究者等が所属する部局の長をいう。
(10) 管理者 実験動物及び動物施設等の管理を担当する総括的な責任者として部局長が指名する者をいう。
(11) 実験動物管理者 実験動物に関する知識及び経験を有し、飼養保管施設において管理者を補佐し、実験動物の管理を担当する者をいう。
(12) 管理者等 部局長、管理者、実験動物管理者及び動物実験・飼養者をいう。
(基本原則)
第3条 動物実験等の実施は、関係法令・指針等に定めがあるもののほか、この規則の定めるところによるものとする。
2 動物実験等の実施に当たっては、関係法令・指針等を遵守し、動物実験等の原則である代替法の利用(できる限り実験動物を供する方法に代わり得るものを利用することをいう。)、使用数の削減(できる限りその利用に供される実験動物の数を少なくすることをいう。)及び苦痛の軽減(できる限り実験動物に苦痛を与えない方法によってしなければならないことをいう。)により、科学上の利用の目的を達することができる範囲及びその利用に必要な限度において実験動物を適切に利用することに配慮しなければならない。
3 実験動物の飼養及び保管に当たっては、科学上の利用の目的を達することができる範囲において、動物福祉の基本理念である5つの自由(飢え及び渇きからの解放、肉体的不快感及び苦痛からの解放、傷害及び疾病からの解放、恐怖及び精神的苦痛からの解放並びに本来の行動様式に従う自由をいう。)に配慮しなければならない。
(適用範囲等)
第4条 この規則は、本学において実施する哺乳類、鳥類又は爬虫類の生体を用いる全ての動物実験等に適用する。
2 第1項の動物実験等が、国立大学法人横浜国立大学遺伝子組換え実験等安全管理実施規則(令和5年規則第86号)、国立大学法人横浜国立大学研究用微生物安全管理実施規則(令和5年規則第90号)若しくは国立大学法人横浜国立大学における人を対象とする研究の実施に関する規則(令和5年規則第82号)その他の本学の規則又は関係法令・指針等の適用を受ける場合には、それぞれの規則又は関係法令・指針等を遵守しなければならない。
[国立大学法人横浜国立大学遺伝子組換え実験等安全管理実施規則(令和5年規則第86号)] [国立大学法人横浜国立大学研究用微生物安全管理実施規則(令和5年規則第90号)] [国立大学法人横浜国立大学における人を対象とする研究の実施に関する規則(令和5年規則第82号)]
3 動物実験責任者は、動物実験等を本学以外の機関に委託等(前2項の動物実験等を含む。)する場合、委託等先において、関係法令・指針等に基づき、適正に動物実験等が行われていることを確認しなければならない。
(動物実験等の申請等)
第5条 動物実験責任者は、動物実験等を実施しようとするときは、規則第3条第2項第1号の規定に基づき、動物実験計画書(様式第1)を作成し、学長に申請しなければならない。当該実験実施が複数年度に渡る場合は、年度毎に申請をするものとする。
2 前項の動物実験計画書は、動物実験等により取得されるデータの信頼性を確保する観点から、次の各号に掲げる事項を踏まえて当該動物実験等ごとに動物実験計画を作成しなければならない。
(1) 動物実験等の目的、意義及び必要性を明確にすること。
(2) 代替法の利用に配慮して、実験動物を適切な利用を考慮すること。
(3) 実験動物の使用数の削減のため、動物実験等の目的に適した実験動物の種の選定、動物実験等の成績の精度と再現性を左右する実験動物の数、遺伝学的及び微生物学的品質並びに飼養条件を考慮すること。
(4) 苦痛の軽減により動物実験等を適切に行うこと。
(5) 致死的な毒性試験、感染実験、放射線照射実験等の苦痛度の高い動物実験等を行う場合は、動物実験等を計画する段階で人道的エンドポイント(実験動物を激しい苦痛から解放するための実験を打ち切るタイミングをいう。)の設定を検討すること。
3 動物実験責任者は、規則第3条第2項に基づく学長の承認がなければ、動物実験等を行うことができない。
[規則第3条第2項]
4 動物実験責任者は、学長が承認した動物実験計画を変更する場合は、第1項の規定を準用する。ただし、別に定める軽微な変更に該当する場合は、軽微な変更届(様式第7)を学長に提出するものとする。
(動物実験等の実施等)
第6条 動物実験・飼養者は、動物実験等の実施に当たっては、関係法令・指針及び本学関係規則等に従うもののほか、次の各号に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 適切に維持管理された動物施設等において動物実験等を行うこと。
(2) 動物実験計画書に記載した事項及び次に掲げる事項を遵守すること。
ア 適切な麻酔薬、鎮痛薬等の利用
イ 動物実験等の終了の時期(人道的エンドポイントを含む。)の配慮
ウ 適切な術後管理
エ 適切な安楽死の選択
(3) 安全管理に注意を払うべき動物実験等(物理的、化学的に危険な材料、麻薬・向精神薬等、病原体、遺伝子組換え動物等を用いる実験をいう。)については、関係法令・指針及び本学関係規則等を遵守すること。
(4) 物理的、化学的に危険な材料又は病原体等を扱う動物実験等については、安全のための適切な動物施設等を確保すること。
(5) 動物実験等の実施に先立ち必要な技術・知識等を習得すること。
(6) 侵襲性の高い大規模な存命手術を行う場合は、経験等を有する者の指導下で行うこと。
2 動物実験責任者は、動物実験計画が複数年度にわたる場合は、年度ごとの経過を動物実験経過報告書(様式第3)により学長に報告するものとする。
3 動物実験責任者は、動物実験等が終了したときは、使用した実験動物の数、動物実験計画の変更の有無、動物実験等の実施結果について、動物実験完了・中止報告書(様式第2)により学長に報告しなければならない。
(実験動物飼養保管マニュアルの遵守)
第7条 管理者及び実験動物管理者は、飼養及び保管に係る標準操作手順書(実験動物飼養保管マニュアルと呼ぶ。)を定め、動物実験・飼養者に遵守させなければならない。
(実験動物の導入及び輸送)
第8条 管理者は、実験動物を関連法令・指針等に従い適正に管理が行われている機関から導入するものとする。
2 実験動物管理者は、実験動物を導入するときは、適切な検疫、隔離飼育等を行うとともに、実験動物の飼養環境の順化及び順応を図るための必要な措置を講じなければならない。
3 管理者等は、実験動物の輸送に当たっては、関係法令・指針等を遵守し、実験動物の健康及び安全の確保、人への危害防止に努めなければならない。
(実験動物の健康及び安全の保持等)
第9条 実験動物管理者及び動物実験・飼養者は、関係法令・指針等を遵守し、実験動物の健康及び安全の保持に努めなければならない。
2 実験動物管理者及び動物実験・飼養者は、実験動物の種類、生理、生態、習性等に応じて、適切に給餌及び給水を行うものとする。
3 実験動物管理者は、飼養保管施設の日常的な管理及び保守点検並びに定期的な巡回等により、飼養又は保管をする実験動物の数及び状態の確認を適切に行わなければならない。
4 実験動物管理者及び動物実験・飼養者は、動物実験等の目的以外の傷害や疾病を予防するため、実験動物に必要な健康管理を行うとともに、当該目的以外の傷害や疾病にかかった場合、実験動物に適切な治療等を行わなければならない。
5 実験動物管理者及び動物実験・飼養者は、異種又は複数の実験動物を同一の動物施設等内で飼養又は保管する場合、その組み合わせを考慮した収容を行うものとする。
(記録の保存及び報告等)
第10条 管理者等は、実験動物の入手先、飼育履歴、病歴等に関する記録を整備、保存しなければならない。
2 管理者等は、実験動物を譲渡するときは、その特性、飼養又は保管の方法、感染性疾病等に関する情報を提供するものとする。
(飼養保管施設の設置等)
第11条 部局長は、飼養保管施設を設置(変更を含む。)しようとするときは、規則第3条第2項第2号の規定に基づき、飼養保管施設設置等承認申請書(様式第4)を作成し、学長に申請しなければならない。
2 前項の飼養保管施設設置等承認申請書は、次の各号に掲げる要件を満たす内容でなければならない。
(1) 適切な温度、湿度、換気、明るさ等を保つことができる構造等としていること。
(2) 実験動物の種類や生理、生態、習性等、並びに飼養又は保管する数に応じた飼育設備を有していること。
(3) 床や内壁などの清掃、消毒等が容易な構造で、器材の洗浄や消毒等を行う衛生設備を有していること。
(4) 実験動物が逸走しない構造及び強度を有していること。
(5) 臭気、騒音、廃棄物等による周辺環境への悪影響を防止する措置をしていること。
(6) 実験動物管理者を配置していること。
3 実験動物管理者及び動物実験・飼養者は、規則第3条第2項に基づく学長の承認がなければ、実験動物の飼養若しくは保管又は動物実験等を行うことができない。
[規則第3条第2項]
(動物実験室の設置等)
第12条 部局長は、飼養保管施設以外において、動物実験室を設置(変更を含む。)しようとするときは、規則第3条第2項第2号の規定に基づき、動物実験室設置等承認申請書(様式第5)を作成し、学長に申請しなければならない。
2 前項の動物実験室設置等承認申請書は、次の各号に掲げる要件を満たす内容でなければならない。
(1) 実験動物が逸走しない構造及び強度を有し、実験動物が室内で逸走しても捕獲しやすい環境を維持していること。
(2) 排泄物や血液等による汚染に対して清掃や消毒が容易な構造にあること。
(3) 常に清潔な状態を保ち、臭気、騒音、廃棄物等による周辺環境への悪影響を防止する措置をしていること。
3 実験動物管理者及び動物実験・飼養者は、規則第3条第2項に基づく学長の承認がなければ、当該動物実験室において動物実験等(48時間以内の一時的保管を含む)を行うことができない。
[規則第3条第2項]
(動物施設等の維持管理及び改善)
第13条 部局長は、実験動物の適正な管理並びに動物実験等の遂行に必要な動物施設等の維持管理及び改善に努めるとともに、実験動物の種類、生理、生態及び習性等を考慮した飼養又は保管を行うための環境の確保を行うものとする。
(動物施設等の廃止)
第14条 部局長は、飼養保管施設又は動物実験室を廃止しようとするときは、規則第3条第2項第2号の規定に基づき、動物施設等(飼養保管施設・動物実験室)廃止届(様式第6)を作成し、学長に届け出なければならない。
2 管理者は、必要に応じて、動物実験責任者と協力し、飼養又は保管中の実験動物を他の飼養保管施設に譲り渡すよう努めるものとする。
(緊急時の措置計画及び危害防止)
第15条 管理者は、実験動物の逸走時、地震、火災又は人と動物の共通感染症の発生時等の緊急時に執るべき措置の計画(緊急時対応マニュアルと呼ぶ。)をあらかじめ作成し、関係者に対して周知を図らなければならない。
2 管理者等は、緊急事態発生時において、実験動物の保護、実験動物の逸走による人への危害、環境保全上の問題等の発生の防止に努めるものとする。
3 管理者等は、人に危害を加える等のおそれがある実験動物を飼養又は保管する場合は、名札、脚環、マイクロチップ等の装着等の識別措置を技術的な可能な範囲で講じるよう努めるとともに、毒へび等の有毒動物による人への危害の発生の防止のために関係法令・指針等に基づく必要な措置を講ずるものとする。
4 実験動物管理者及び動物実験・飼養者は、相互に実験動物による危害の発生の防止に必要な情報の提供等に努めるとともに、関係のない者が実験動物等に接しないよう必要な措置を講じなければならない。
(人と動物の共通感染症の対応)
第16条 管理者は、実験動物管理者及び動物実験・飼養者が、実験動物由来の感染症やアレルギー疾患等に罹患又は実験動物による咬傷等に対し、予防及び発生時に必要な措置を講じるものとする。
2 管理者等は、人と動物の共通感染症に関する十分な知識の習得及び情報収集するとともに、その発生時において必要な措置を迅速に講じるために公衆衛生等の関係機関との連絡体制の整備に努めるものとする。
(緊急時の対応)
第17条 実験動物管理者及び動物実験・飼養者は、第15条第3項の実験動物が動物施設等の外への逸走、前条第1項の人と動物の共通感染の発生その他地震、火災又は人的要因等の災害により動物施設等に事故が発生又はその恐れのあるときは、直ちに必要な応急措置を講ずるとともに、部局長、管理者及び動物実験責任者に報告しなければならない。
[第15条第3項]
2 部局長は、前項の通報を受けたときは、国立大学法人横浜国立大学における危機管理に関する規則(平成20年規則第97号)第5条に基づき直ちに学長に報告するとともに、規則第5条のライフサイエンス研究等倫理委員会及び規則第8条の関係する専門委員会に報告しなければならない。
3 学長は、前項に定める報告を受けたときは、横浜国立大学危機管理ガイドラインに定められた必要な処置を講じなければならない。
(複数の部局にまたがる建物等の対応)
第18条 部局長は、実験動物及び動物施設等の管理を担当する研究者等が所属する部局以外の教職員が専有使用しているスペースがある建物等(以下「複数の部局にまたがる建物等」という。)の場合は、当該教職員が所属する部局の長(以下「他部局の長」という。)と当該複数の部局にまたがる建物等における動物実験等の実施、実験動物の飼養及び保管等の管理に係る必要な協議を他部局の長と連携して対応するとともに、前3条に規定する措置を講じなければならない。
(教育訓練)
第19条 実験動物管理者及び動物実験・飼養者は、規則第3条第4項の規定に基づき、次の各号に掲げる事項の教育訓練を受講しなければならない。
[規則第3条第4項]
(1) 動物実験等に関する関係法令・指針等及び本学の関係規則等
(2) 動物実験等の方法に関する基本的事項
(3) 実験動物の飼養又は保管に関する基本的事項
(4) 安全確保、安全管理に関する事項
(5) 人と動物の共通感染症に関する事項
(6) その他、適切な動物実験等の実施に関する事項
2 前項の教育訓練の実施に関し必要な事項は別に定める。
(自己点検・評価等)
第20条 管理者等は、規則第3条第4項の規定に基づく自己点検・評価及び規則第3条第5項の規定に基づく外部の者による検証を定期的に受けるものとする。
2 前項の自己点検・評価及び外部の者による検証の実施に関し必要な事項は別に定める。
(雑則)
第21条 この規則に定めるもののほか、動物実験等の実施に関し必要な事項は、別に定める。
附 則
1 この規則は、平成26年12月1日から施行する。
2 国立大学法人横浜国立大学動物実験等の管理実施要項(平成24年1月19日学長裁定)は廃止する。
附 則(平成28年1月27日規則第12号)
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この規則は、平成28年2月1日から施行する。
附 則(平成28年4月21日規則第42号)
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この規則は、平成28年4月21日から施行する。
附 則(平成28年9月15日規則第71号)
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この規則は、平成28年10月1日から施行する。
附 則(平成30年3月29日規則第47号)
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この規則は、平成30年4月1日から施行する。
附 則(令和2年2月7日規則第9号)
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この規則は、令和2年2月7日から施行する。
附 則(令和5年12月21日規則第98号)
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1 この規則は、令和5年12月21日から施行する。
2 この規則施行の際、改正前の第4条に規定する施設管理責任者に定められた者は、この規則第2条第10項に規定する管理者となる。
附 則(令和6年3月19日規則第18号)
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この規則は、令和6年3月19日から施行する。