○横浜国立大学次世代研究者挑戦的研究プログラムに関する規則
(令和6年5月30日規則第46号)
(趣旨)
第1条 この規則は、横浜国立大学(以下「本学」という。)において、本学大学院の博士課程後期学生(科目等履修生、研究生、聴講生、特別聴講学生及び特別研究学生を除く。以下「博士課程後期学生」という。)を対象として実施する次世代研究者挑戦的研究プログラム(以下「本プログラム」という。)に関し、必要な事項を定める。
(目的)
第2条 本プログラムは、我が国の科学技術・イノベーションの将来を担う優れた博士課程後期学生に対して、研究奨励費及び研究費等を支給するとともに、当該博士課程後期学生が主体的に既存の枠組みを越えて自由で挑戦的・融合的な研究を行い得る環境整備、キャリアパスの形成に向けた人材育成プログラムの提供等の支援を行うことにより、優秀な博士人材が多様なキャリアで活躍できるよう導くことを目的とする。
(プログラムの名称)
第3条 本プログラムの名称は、横浜国立大学持続可能なイノベーションを牽引するインクルーシブ・リーダーシップ養成プロジェクト(以下「YNU‐SPRING」という。)とする。
(事業統括)
第4条 本プログラムの運営責任者として、事業統括を置く。
2 事業統括は、本プログラムにおける研究奨励費の支給及び研究費の配分を受ける学生(以下「YNU‐SPRING学生」という。)の選抜その他本プログラムの運営について統括する。
3 事業統括は、学長が指名する者をもって充てる。
(博士課程後期学生支援本部)
第5条 事業統括の業務遂行を支えるため、事業統括の下に、博士課程後期学生支援本部(以下「本部」という。)を置く。
2 本部は、次の各号に掲げる者をもって組織する。
(1) 事業統括
(2) 教育推進機構長
(3) 学長が指名する副学長 3名
(4) 事務局長
(5) 横浜国立大学の役員又は教職員以外の者で、大学に関し広くかつ高い識見を有する者のうちから、学長が任命するもの
(6) その他学長が指名する者
3 前項第5号及び第6号の構成員の任期は、2年とする。ただし、欠員が生じた場合の後任の任期は、前任者の残任期間とする。
4 前項の構成員は、再任されることができる。
(実施体制)
第6条 本プログラムを実施するために、以下の委員会を置く。
(1) 博士課程後期学生支援本部会議
(2) YNU‐SPRING運営チーム
(3) YNU‐SPRING選抜委員会
(博士課程後期学生支援本部会議)
第7条 前条第1号に規定する博士課程後期学生支援本部会議(以下「本部会議」という。)は、次の各号に掲げる事項について審議する。
(1) 本プログラムの管理及び運営の総括に関すること。
(2) YNU‐SPRING学生の選抜に関すること。
(3) YNU‐SPRING学生に対する研究奨励費の支給及び研究費の配分に関すること。
(4) YNU‐SPRING学生への支援の取消又は中断に関すること。
(5) YNU‐SPRING学生の修了認定に関すること。
(6) その他事業統括が必要と認めた事項に関すること。
2 本部会議は、第5条第2項の構成員をもって組織する。
(委員長)
第8条 本部会議に委員長を置き、事業統括をもって充てる。
2 委員長は、本部会議を招集し、その議長となる。
3 議長は、本部会議を主宰する。
4 委員長に事故あるときは、教育推進機構長がその職務を代行する。
(議事及び委員以外の者の出席)
第9条 本部会議は、委員の過半数が出席しなければ、議事を開くことができない。
2 本部会議の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
3 本部会議における審議の方法について、議長は本部会議開催に代わるものとして、電磁的記録による審議を行うことができる。
4 本部会議が必要と認めたときは、委員以外の者の出席を求め、意見を聴くことができる。
(YNU‐SPRING運営チーム)
第10条 第6条第2号に規定するYNU‐SPRING運営チーム (以下「運営チーム」という。)は、次の各号に掲げる事項について審議する。
(1) 本プログラムが提供するキャリア開発・育成コンテンツの企画及び運営に関すること。
(2) 前号の実施に伴う海外渡航支援金の支給に関すること。
(3) YNU‐SPRING学生の指導及び助言に関すること。
(4) その他事業統括が必要と認めた本プログラムの運営に関すること。
2 運営チームは、次の各号に掲げる委員をもって組織する。
(1) 事業統括
(2) 教育推進機構長
(3) 教育推進機構副機構長(YNU新教育領域担当)
(4) 博士課程後期学生支援部門長
(5) 博士課程後期学生支援部門を担当する教員
(6) 横浜国立大学の役員又は教職員以外の者で、大学に関し広くかつ高い識見を有する者のうちから、学長が任命するもの
(7) その他事業統括が指名する者
3 前項第6号及び第7号の委員の任期は、2年とする。ただし、欠員が生じた場合の後任の任期は、前任者の残任期間とする。
4 前項の委員は、再任されることができる。
5 運営チームの委員長、議事及び委員以外の者の出席については、第8条及び第9条を準用する。
(YNU‐SPRING選抜委員会)
第11条 第6条第3号に規定するYNU-SPRING選抜委員会(以下「選抜委員会」という。)は、次に掲げる事項について審議する。
(1) 第15条第1項に規定する第一次選抜の実施及び第一次選抜合格者の決定に関すること。
(2) 第15条第1項に規定する第二次選抜の実施に関すること。
(3) その他YNU‐SPRING学生の選抜に関すること。
2 選抜委員会は、次の各号に掲げる委員をもって組織する。
(1) 事業統括
(2) 教育推進機構長
(3) 教育推進機構副機構長(YNU新教育領域担当)
(4) 博士課程後期学生支援部門長
(5) 博士課程後期学生支援部門を担当する教員のうち各学府から選出された者
(6) 横浜国立大学の役員又は教職員以外の者で、大学に関し広くかつ高い識見を有する者のうちから、学長が任命するもの
(7) その他事業統括が必要と認めた者
3 前項第6号及び第7号の委員の任期は、2年とする。ただし、欠員が生じた場合の後任の任期は、前任者の残任期間とする。
4 前項の委員は、再任されることができる。
5 選抜委員会の委員長、議事及び委員以外の者の出席については、第8条及び第9条を準用する。
(申請資格)
第12条 YNU‐SPRING学生の申請資格を有する者は、本学博士課程後期に在学する者(入学予定である者を含む。)で、次の各号のすべての要件を満たすものとする。
(1) 「我が国の科学技術・イノベーション」に貢献する高い意欲がある者
(2) 本プログラムの趣旨を理解し、本プログラムで提供する科目を受講し、かつ、自らの研究能力とインクルーシブ・リーダーシップを有する人材としての素養を高めることに意欲がある者
(3) 採用後、本プログラムが課す活動に必ず参加する意思を有する者
(4) 本プログラムが定める修了要件を満たし、修了審査を受ける意思を有する者
2 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者(該当する見込みである者も含む。)は、申請資格を有しないものとする。
(1) 独立行政法人日本学術振興会の特別研究員として採用されている者
(2) 国費外国人留学生制度による支援又は本国から奨学金等の支援を受けている外国人留学生
(3) 国、民間団体等から奨学金を受けており、国等により、当該奨学金等以外の資金を受けることが認められていない者
(4) 本学や企業等から、又は自らが起業して、年間240万円以上の給与又は報酬等の安定的な収入を得ている者
(5) 休学者
(6) 横浜国立大学大学院学則(平成16年規則第202号)第7条第2項に定める標準修業年限を超えて在学している者(長期にわたる課程の履修を認められた者を含む。ただし、休学期間がある場合、在籍期間から当該休学期間を除いた年数が標準修業年限に達しない者を除く。)
(7) 横浜国立大学学則(平成16年規則第201号)第61条に定める懲戒処分を受けたことがある者
3 YNU‐SPRING学生として認定できる人数は、本部会議が別に定める。
(申請)
第13条 YNU‐SPRING学生としての認定を希望する者(以下「申請者」という。)は、所定の期日までに、次の各号に掲げる書類を選抜委員会に提出しなければならない。
(1) YNU-SPRING申請書
(2) その他選抜委員会が必要と認める書類
2 申請者の指導教員は、所定の期日までに、次の各号に掲げる書類を選抜委員会に提出しなければならない。
(1) 申請者の評価書
(2) その他選抜委員会が必要と認める書類
(YNU‐SPRING学生の選抜の観点)
第14条 第15条の規定による選抜は、次の各号に掲げる観点を踏まえて審査するものとする。
(1) 前条の申請書において、申請者の博士論文研究における課題設定に至る背景と研究目的が、専門外の研究者にもわかるように示されており、かつ、その着想が優れていること。また、研究の方法にオリジナリティがあり、申請者の研究課題の今後の展望が示されていること。
(2) 学術の将来を担う優れた研究者となることが十分に期待できること。
(3) 本プログラムへの志望動機、アドバンストプログラムにおける着想と計画、修了後のキャリアプランと我が国の科学技術・イノベーションへのかかわりが明確であること。
(YNU‐SPRING学生の選抜及び認定)
第15条 YNU‐SPRING学生の選抜は、第13条の規定により提出された書類等の審査を第一次選抜として行い、第一次選抜合格者を対象に実施する面接による審査を第二次選抜として行うものとする。
2 選抜委員会は、前項による審査の結果を本部会議に報告する。
3 本部会議は、前項による報告に基づき選抜を行い、委員長は、選抜結果を学長に報告する。
4 学長は、前項の報告に基づき、YNU‐SPRING学生を認定する。
5 YNU‐SPRING学生が第12条第3項で規定する人数を下回った場合、学長は、本部会議の議を経て、前項で認定されなかった者のうちから第3項の選抜結果が最上位の者をYNU‐SPRING学生として追加認定することができるものとする。
(YNU‐SPRING学生の認定期間)
第16条 YNU‐SPRING学生の認定期間は、前条第4項又は第5項の規定により学長が認定した日から、第12条第2項第6号で規定する標準修業年限以内とし、最長で3年間とする。
(YNU‐SPRING学生への支援)
第17条 YNU‐SPRING学生に対し、次の各号に定める支援を行う。
(1) 研究奨励費として、月額180,000円を支給する。
(2) 研究費として、年額340,000円を配分する。ただし、年度の途中で、認定され、又は標準修業年限に達するYNU‐SPRING学生の研究費の年額は、本部会議が別に定める額とする。
2 研究奨励費の支給及び研究費の配分の期間は、第16条で規定する期間とする。
3 研究奨励費は、国立大学法人横浜国立大学会計実施規則(平成16年規則第305号)第20条に定める支払日に毎月支給する。ただし、第19条第1項の規定により、支援が停止され、又は認定が取り消された場合は、当該停止又は取消日が属する月の次の月から、研究奨励費は支給しない。
4 研究費は、年に1回配分する。
5 YNU‐SPRING学生は、第19条第1項の規定により、支援が停止され、又は認定が取り消された場合は、当該停止又は取消日から研究費を使用することはできないものとする。
(YNU‐SPRING学生の義務)
第18条 YNU‐SPRING学生は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 申請書に記載した研究計画に従い、研究に従事し、自身の研究の深化に努めなければならない。
(2) 第10条第1項第1号で規定するキャリア開発・育成コンテンツを修了すること。
(3) 本学が指定する研究倫理教育教材を受講すること。
(4) 第21条及び第22条の規定
(5) 本学修了後の10年間は、本学又は国立研究開発法人科学技術振興機構が実施する追跡調査に協力すること。
(6) その他事業統括が別に定める事項
(支援の停止又はYNU‐SPRING学生の認定の取消)
第19条 学長は、YNU‐SPRING学生が以下の各号のいずれかに該当した場合は、本部会議の議を経て、第17条第1項で規定する支援の停止又は当該学生の認定の取消を行うものとする。
(1) 修了若しくは退学し、又は除籍になった場合
(2) 第12条第2項各号のいずれかに該当することとなった場合
(3) 前条に規定する事項を遵守しなかった場合
(4) 懲戒処分になった場合
(5) 本人から辞退の申し出があった場合
(6) 標準修業年限を超過した場合
(7) 休学した場合
(8) その他学長又は支援本部が支援を停止又は認定を取消すべき事由があると判断した場合
2 前項の規定により支援を停止した者について、支援停止事由が消滅し、支援を再開することが適切であると本部会議が認めるときは、支援を再開することができるものとする。
(研究奨励費及び研究費の返還)
第20条 YNU‐SPRING学生が研究上の不正行為や研究費の不正使用等をした場合、学長は、本部会議の議を経て、当該学生に支給した研究奨励費及び配分した研究費の全部又は一部の返還を求めることができる。
(公正な研究活動の遂行等)
第21条 YNU‐SPRING学生は、次の各号に掲げる規則を遵守し、公正な研究活動を遂行すること。
(1) 国立大学法人横浜国立大学における公正な研究活動の確保等に関する規則(平成19年規則第8号)
(2) 国立大学法人横浜国立大学公的研究費等管理規則(平成19年規則第122号)
(3) 国立大学法人横浜国立大学におけるライフサイエンス研究等の実施に関する規則(平成19年規則第105号)
(4) 国立大学法人横浜国立大学安全保障輸出管理規則(平成22年規則第82号)
(研究成果に関する取扱)
第22条 YNU‐SPRING学生は、次の各号に掲げる規則を遵守し、研究成果による知的財産権の保全に努めること。
(1) 国立大学法人横浜国立大学職務発明規則(平成16年規則第107号)
(2) 国立大学法人横浜国立大学研究成果有体物取扱規則(平成16年規則第373号)
(YNU‐SPRING学生の公表)
第23条 本プログラムの透明性確保の観点から、YNU‐SPRING学生の所属学府及び氏名を本学のウェブサイトにて公表する。
(事務)
第24条 本プログラムの事務は、関係各課の協力を得て、学務・国際戦略部教育企画課において処理する。
(雑則)
第25条 この規則に定めるもののほか、本プログラムに関し必要な事項は、別に定める。
附 則
1 この規則は、令和6年5月30日から施行する。
2 横浜国立大学次世代研究者挑戦的研究プログラムに関する実施要項(令和6年4月12日学長裁定。以下「実施要項」という。)は、廃止する。
3 この規則の施行の際、廃止前の実施要項に基づき実施されている本プログラムは、この規則の各相当規定に基づいてなされたものとみなす。