○横浜国立大学学生の懲戒に関する規則
(平成22年11月11日規則第85号)
改正
平成24年2月9日規則第14号
平成25年3月28日規則第52号
平成26年3月24日規則第28号
平成29年2月9日規則第34号
令和2年3月25日規則第56号
令和3年3月29日規則第30号
令和5年9月25日規則第70号
(趣旨)
第1条 この規則は、横浜国立大学学則第61条及び横浜国立大学大学院学則第24条に規定する学生の懲戒並びに教育的措置(以下「懲戒等」という。)について、適正かつ公正な運用を図るため、必要な事項を定めるものとする。
(懲戒等対象行為)
第2条 懲戒等の対象となり得る行為(以下「非違行為」という。)は、次のとおりとする。
(1) 犯罪行為その他の違法行為
(2) ハラスメント等の人権を侵害する行為
(3) 本学が実施する試験等(レポートを含む。以下同じ。)における不正行為又は論文の作成等における学問的倫理に反する行為
(4) 情報倫理に反する行為
(5) 本学の規則等又は命令に違反する行為
(6) 本学の秩序を乱し、本学における教職員の業務又は教育研究活動を妨げる行為
(7) 本学の名誉及び信用を著しく傷つける行為
(8) 前各号のほか、学生の本分に反する行為
(懲戒の種類及び内容)
第3条 懲戒の種類及び内容は、次のとおりとする。
(1) 訓告 学生の行った非違行為を戒めて事後の反省を求め、将来にわたってそのようなことのないよう、口頭又は文書により注意すること。
(2) 停学 一定の期間、学生の教育課程の履修及び課外活動を禁止すること。その停学期間には、春季休業日、夏季休業日、冬季休業日、その他休業日を含むものとする。
(3) 退学 学生としての身分を失わせること。
2 停学の期間は、無期又は有期とし、無期停学とは期限を付さずに命じる停学をいい、有期停学とは6か月以内の期限を付して命じる停学をいう。
3 停学の期間は、在学期間に含め、修業年限に含めないものとする。ただし、3か月を超えない場合には、修業年限に含めることができる。
(その他の教育的措置)
第4条 学生が行った非違行為が懲戒に至らない場合において、学部長、研究科長、学府長、学環長又は国際教育センター長(以下「学部長等」という。)が必要があると認めた場合には、当該行為を行った学生に対し、学部長等は厳重注意を行うことができる。
2 厳重注意は、訓告に至らないものであって、当該行為を厳重に注意することをいう。
3 厳重注意は、口頭又は文書により行うものとする。
(懲戒の量定)
第5条 懲戒処分の量定は、別表に定める懲戒の標準例(以下「標準例」という。)に準拠し、次に掲げる事項を基礎に、当該学生の状態(日常における生活態度及び非違行為後の対応を含む。)等並びに行為の悪質性及び重大性を総合的に判断して行う。
(1) 非違行為の動機、態様及び結果
(2) 故意又は過失の別及びその程度
(3) 過去の非違行為の有無
2 懲戒処分の量定にあたっては、個々の事案の事情に則し、標準例に定める処分を加重軽減することができる。
3 本学が実施する試験等における不正行為により、退学又は停学の懲戒処分を受けた学生については、当該学期の履修登録の単位をすべて無効とする。
4 標準例に定める非違行為の種類に掲げられていない非違行為の懲戒は、標準例を参考に決定するものとする。
(悪質性及び重大性の判断)
第6条 前条第1項の悪質性及び重大性の判断は、次のとおりとする。
(1) 悪質性については、当該学生の主観的態様、当該非違行為の性質及び当該非違行為に至る動機等を勘案の上判断するものとする。
(2) 重大性については、当該非違行為により被害を受けた者の精神的苦痛を含めた身体被害の程度及び当該非違行為が社会に及ぼした影響等を勘案の上判断するものとする。ただし、当該非違行為による被害が物的被害にとどまる場合であっても、当該物的被害が甚大なものである場合は、重大であると判断するものとする。
(3) 過去に懲戒等を受けた者が、再度非違行為をした場合は、悪質性が高いものとみなし、重い処分を課すことができるものとする。
(事案の報告)
第7条 学部長等は、当該学部等に所属する学生について、非違行為を確認したときは、速やかに事実関係を学長に報告するものとする。
(自宅謹慎)
第8条 学部長等は、当該行為が懲戒に該当することが明白で、懲戒処分が確実であると判断した場合は、懲戒処分決定前に当該学生に自宅謹慎を命じることができる。この場合、謹慎期間は停学期間に通算することができる。
2 自宅謹慎を命じたときは、学部長等は学長に報告するものとする。
3 学部長等は、第1項の自宅謹慎を命じた後に、必要があると判断した場合は、再度自宅謹慎を命じることができるものとする。
(事実の調査等)
第9条 学部長等は、第7条に基づく報告をしたとき又は学長の指示を受けたときは、慎重かつ速やかに当該事案にかかる事実調査を行わなければならない。
2 学部長等は、当該事案に係る事実認定、懲戒処分の要否及び内容について調査を行うため、調査委員会を設置するものとする。なお、この調査委員会は、既存の委員会をもって代えることができるものとする。
3 前項に定める調査委員会は、調査を進めるにあたっては、当該学生にその旨を告知し、口頭による意見陳述の機会を与えなければならない。ただし、身柄の拘束等やむを得ない事情により口頭による意見陳述ができないときは、文書による意見提出に代えることができるものとする。
4 当該学生が意見陳述の機会を与えられたにもかかわらず、正当な理由がなく欠席し、又は文書を提出しなかった場合には、当該権利を放棄したものとみなす。
5 当該行為が、複数の学部、研究科、学府、学環又は国際教育センター(以下「学部等」という。)に所属する学生によって引き起こされた場合は、当該学部等の調査委員会が相互に連絡し、調整するものとする。
6 調査委員会は、調査終了後、調査内容等を明記した調査書を作成し、学部長等に提出しなければならない。
7 学部長等は、前項の調査書を受理したときは、懲戒の要否等について判断するため、各学部、研究科、各学府若しくは学環の教授会又は国際戦略推進機構運営委員会(以下「教授会等」という。)の意見を聴くものとする。
8 学部長等は、報告書を作成し、前項の規定による判断の結果を学長に上申するものとする。なお、懲戒処分を行うと判断した場合は報告書に処分案を付すものとする。
(懲戒処分の決定)
第10条 学長は、前条第8項の報告書を受けて、懲戒の要否及び処分の内容を決定する。
2 学長は、懲戒処分を課すことを決定したときは、第11条で規定する告知及び第12条で規定する告示を当該学部長等へ通知するものとする。
3 学長は、懲戒処分を課さないことを決定したときは、その旨を当該学部長等に通知するものとする。
4 学長は、前条第8項の報告書の内容に疑義があるときは、当該学部長等に説明を求め、さらに再調査を行うことを指示することができるものとする。
(懲戒処分の告知)
第11条 懲戒処分の告知は、学部長等から当該学生及び父母等連絡人に懲戒通知書(別紙様式)の交付をもって行うものとする。
(懲戒処分の告示)
第12条 懲戒処分の告示は、当該学生の所属並びに懲戒処分の内容及び事由を当該学生の所属する学部又は大学院の掲示板に掲示することにより行うものとする。
(懲戒処分と学籍異動)
第13条 学部長等は、調査委員会の調査対象となった当該学生から懲戒処分の決定前に自主退学の願い出があったときは、この願い出を受理しないものとする。
2 学部長等は、停学中の学生から当該停学期間を含む期間の休学の願い出があった場合は、この願い出を受理しないものとする。
3 休学中の学生に対して停学処分を命じる場合は、当該学生の休学許可を取り消すものとする。
(無期停学処分の解除)
第14条 学部長等は、無期停学処分を受けた学生について、反省の程度及び学習意欲等を総合的に判断して、その処分を解除することが適当と考えられる場合には、教授会等の議を経て、その処分の解除を学長に申請することができるものとする。
2 学長は、学部長等からの申し出を受けて、当該無期停学処分の解除を決定することができるものとする。ただし、停学開始日から6か月経過後でなければ解除できない。
(異議申立て)
第15条 懲戒処分の告知を受けた学生は、事実誤認、新事実の発見その他正当な理由があるときは、懲戒通知書を受け取った日から起算して14日以内に、学長に対して文書で異議を申立てることができる。
2 前項の文書には、異議を理由づける事実を具体的に記載し、根拠となる資料を添付しなければならない。
3 学長は、前2項に基づく異議の申立てがあったときは、異議の申立てを受理した旨を当該学生及び学部長等に文書で通知するものとする。ただし、申立て書類に不備がある場合は、異議の申立てを却下する旨を当該学生に文書で通知するものとする。
4 異議の申立ては、懲戒処分の効力を妨げないものとする。
(再審査委員会)
第16条 学長は、前条の異議申立てを受理したときは、当該申立てを審議するための委員会(以下「再審査委員会」という。)を設置するものとする。
2 再審査委員会は次に掲げる委員により構成する。
(1) 学長が指名する副学長
(2) 学長が指名する教員 数名
3 再審査委員会に委員長を置き、前項第1号の委員をもって充てる。
4 再審査委員会は、当該学生から提出された申立書及び根拠となる資料並びに学部等の調査結果について書面審査を行うものとする。
5 再審査委員会は、必要があれば当該学生から事情聴取を行うことができるものとする。
6 再審査委員会は、再審査の終了後、再審査の内容等を明記した再審査報告書を作成し、学長に提出しなければならない。なお、再審査の結果、懲戒処分の変更が妥当であると判断した場合は、懲戒処分の変更案を再審査報告書に付すものとする。
(再審査結果の決定)
第17条 学長は、前条第6項の報告書を受けて、再審査結果を決定する。
2 学長は、前項の決定にあたり、処分内容を変更しようとするときは、教育研究評議会の意見を聴くものとする。
3 学長は、第1項の決定について、学部長等に文書で通知するとともに、当該学生等に対して次のとおり通知するものとする。
(1) 懲戒処分に変更がない場合は、当該学生に再審査結果通知書を交付する。
(2) 懲戒処分を取消す場合は、当該学生及び父母等連絡人に懲戒取消通知書を交付する。
(3) 懲戒処分の内容を変更する場合は、当該学生及び父母等連絡人に懲戒処分変更通知書を交付する。
4 学長は、前項第2号及び第3号により懲戒処分の内容を変更したときは、第12条に準じて学内に告示するものとする。
(雑則)
第18条 この規則に定めるもののほか、この規則の実施に関し必要な事項は、教務厚生部会の議を経て学長が別に定める。
附 則
この規則は、平成22年11月11日から施行する。
附 則(平成24年2月9日規則第14号)
この規則は、平成24年2月9日から施行する。
附 則(平成25年3月28日規則第52号)
この規則は、平成25年4月1日から施行する。
附 則(平成26年3月24日規則第28号)
この規則は、平成26年4月1日から施行する。
附 則(平成29年2月9日規則第34号)
この規則は、平成29年2月9日から施行する。
附 則(令和2年3月25日規則第56号)
この規則は、令和2年4月1日から施行する。
附 則(令和3年3月29日規則第30号)
この規則は、令和3年4月1日から施行する。
附 則(令和5年9月25日規則第70号)
この規則は、令和5年9月25日から施行する。
別表(第5条関係)
懲戒の標準例
区分非違行為の種類懲戒の標準
犯罪行為等殺人、強盗、不同意性交等、誘拐、放火等の凶悪な犯罪行為又はその犯罪未遂行為退学
傷害行為退学又は停学
麻薬、覚醒剤等の薬物犯罪行為(栽培・製造、売買、不正所持又は使用)退学又は停学
窃盗、万引き、詐欺、他人を傷害するに至らない暴力行為等の犯罪行為退学、停学又は訓告
痴漢行為(覗き見等を含む。)、わいせつ行為(公然わいせつ、わいせつ物頒布等を含む。)、性的姿態等撮影行為(性的影像記録の提供、陳列、保管、送信又は記録を含む。)又はストーカー行為退学、停学又は訓告
コンピュータ又はネットワークの不正使用で悪質な場合退学又は停学
コンピュータ又はネットワークの不正使用停学又は訓告
交通事故 ・ 違反死亡又は高度な後遺症を残す人身事故を伴う交通事故を起こした場合で、その原因行為が無免許運転、飲酒運転、暴走運転等の悪質な場合退学
人身事故を伴う交通事故を起こした場合で、その原因行為が無免許運転、飲酒運転、暴走運転等の悪質な場合退学又は停学
無免許運転、飲酒運転、暴走運転等の悪質な交通法規違反停学又は訓告
死亡又は高度な後遺症を残す人身事故を伴う交通事故を起こした場合で、その原因行為が前方不注意等の過失の場合停学
人身事故を伴う交通事故を起こした場合で、その原因行為が前方不注意等の過失の場合停学又は訓告
ハラスメントパワー・ハラスメント、セクシュアル・ハラスメント及びアカデミック・ハラスメント等に当たる行為退学、停学又は訓告
試験等不正行為・学問的倫理に反する行為本学が実施する試験等における不正行為で身代わり受験等の悪質な場合退学又は停学
(3月以上)
本学が実施する試験等におけるカンニング等の不正行為停学(2月)
本学が実施する試験等において、監督者の注意又は指示に従わなかった場合訓告
発表された研究成果等の中に示されたデータや調査結果等の捏造、改ざん、盗用及び虚偽の研究成果公表を行った場合退学、停学又は訓告
情報倫理インターネットを利用して、公序良俗に反する行為、第三者への誹謗・中傷、プライバシーの侵害、虚偽情報の発信又はソフトウェアなどの著作権及び特許権その他の知的財産権の侵害を行った場合停学又は訓告
その他非違行為本学の教育研究又は管理運営を著しく妨げる行為退学、停学又は訓告
本学が管理する建造物への不法侵入又はその不正使用若しくは占拠退学、停学又は訓告
本学が管理する建造物又は器物の破壊、汚損、不法改築等停学又は訓告
本学構成員に対する暴力行為、威嚇、拘禁、拘束等退学、停学又は訓告
飲酒を強要し、死に至らしめる等重大な事態を生じさせた場合退学又は停学
飲酒を強要し、急性アルコール中毒等の被害を生じさせた場合停学又は訓告
20歳未満の者に対する飲酒又は喫煙を強要又は助長した場合停学又は訓告
20歳未満の者が飲酒又は喫煙をした場合停学又は訓告
別紙様式
懲戒通知書